
東日本大震災より一年が経ちました。この震災は単なる地震だけではなく、津波、放射能といった複合的な被害をもたらし、世界中に大きな課題を残しました。さらに日本は、東海地方、関東地方においても、大きな地震が予想されています。私達はこれから何をなすべきか、何に備えるべきか、考える必要があります。
クラフトは公園施設の一環として昭和56年、初めて公衆トイレを手がけました。以後約30年に渡り、東北を中心にユニット化された公衆トイレを全国に納めさせて戴いております。その間、クラフトのトイレは多くの災害を乗り越えて来ました。地震が起こる度に現地へ赴き、被災状況を確認して構造の再検討を行っております。元来、クラフト製品は東北で設計、製作されているため耐雪構造になっております。このためか過去において地震に対してもほとんど被害を受けませんでした。この度の東日本大震災においても、津波被害の大きかった宮城県東松島市、名取市、仙台市でも、本体が残り、一部の手直しをするだけでトイレとして復旧することができました。 災害時におけるトイレは、建物の堅牢さだけではなく、身体が不自由でも使えることや寒い中でも暖を取れることなど、ソフト的にも配慮が必要であると考えます。
特にジオシリーズは、阪神淡路大震災の後に「震災復興公園」として整備された神戸市の公園に採用されております。このジオシリーズ・Mタイプは、トイレだけではなく、防災倉庫や、給水保管庫、緊急電気室等として利用価値の高い施設です。今回の東日本大震災に於いて、宮城県の海岸に建てられたシリーズが、地盤は崩れたものの本体はそのまま残る状態となりました。クラフトのトイレは、本体がコンクリートであっても、鉄骨であっても災害に耐える建物であることが実証されました。
上記の、東日本大震災により被害を受けた東北地方の太平洋沿岸部に納品させて戴きました公衆トイレ等につきまして、 弊社独自の被災調査を行いました。特に津波被害の大きかった宮城県東松島市では、公園8カ所が完全浸水した状況にありました。